「一人で自宅で仕事してて気が滅入ったりしないですか」
と取引先からビデオ会議で尋ねられた。
取引先は、穏やかで明るい人が多いが、その分、孤独には不慣れなようで、これから起こりうる『全員リモート』の状況に不安を感じているようだった。
ビデオ会議システムで、時間を決めてみんなで雑談をするといいですよ、と助言をした。でも、自分はといえば、そんな雑談は特に必要としていない。
こういう時は本を読むに限る。
役に立つ立たないは関係ない、読みたい本を読めばいい。
隣の人と仲良くなるノウハウ本でもいいし、気ままなエッセイでも、写真集でも、画集でも、楽譜だって良いと思う。楽しめる本を読むといい。
不安は、それでマシになる。
消えることはないだろうし、読み終われば解決してない問題がまた降り掛かってくるかもしれない。
でも、マシになる。
読んではマシにして、読んではマシにして、そうして時間が過ぎる。
時間が過ぎれば、大半の問題は、たくさんあった選択肢が『受け入れる』一択になる。
受け入れれば覚悟が決まる。
問題は受け入れれば、問題ではなくなる。
最近は、奥さんが動物の森で、3人目のアリクイの住人が住み始めることに「アリクイばかりの島になってしまう!」と嘆くのを横目にしながら、
「吉田の日々赤裸々。 『ファイナルファンタジーXIV』はなぜ新生できたのか」
を読んだ。
https://www.amazon.co.jp/dp/4047331546/
オンラインゲーム、FF14の名物プロデューサー兼ディレクターの吉Pが、その役職を任じられることになった時のことを記載した回顧エッセイだ。
FF14というゲームは、乱暴な言い方をするとクソゲーの状態でサービスを開始した。これが売り切りのゲームであれば「大爆死!!」とか笑われて終わりでよかったんだけど(よくはない)、オンラインゲームということで、そういうわけにもいかず。
立て直しを図ることになり、その時に生贄として選ばれた白羽の矢が立ったのが吉Pである。
この『大爆死してるビックタイトルの後任者になる』という状況に吉Pが立ち向かったのが、どうやら今の私と同い年ぐらいの頃のようで、「自分だったらどうかなあ」と考えながら何度も立ち止まりながら読んだ。
自分がゲーム開発のリーダーになることはまず無いだろうけれど、Webサービスのマネージャーを打診されたら。それが、酷い出来のサービスだったら。
うーむ。どういう意図でたちあげたサービスか、世の中をどうしたかったのか、企画者に尋ねるかなあ。
その上で、自分でそれをどうにかできそうなら受ける、、、かな。いや、ここで「できそう」と思うことは難しいかもしれない。
自分が気に入らない人が立ち上げたサービスであれば話すら聞かないだろうから、話を聞いた時点で、スキルや人格において、企画者のことをある程度リスペクトしているハズである。
リスペクトしている人が「難しい」というものを、自分がどうこうできるだろうか。
うむむ。
難しい。とても難しい。
などと唸りつつ、風呂を洗ったり、洗濯してる日々です。