- 作者: 木村紺
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/01/23
- メディア: コミック
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全10巻。
東京から引っ越してきた女子大学生、辰木桂が日々の神戸暮らしの中で感じた事、友人との印象的なやり取りなどをつづったエッセイ風の作品。
少女漫画に近い作風ですが、そこまでくどくなく、サラッと流してます。
等身大の大学生、という言葉がぴったり合う。
漫画らしい型にハマったキャラクターは少なく、明るく見えても恐がりの裏返しであったり、頼っていた人に拒絶された経験から他人を頼らない性格になった者など、性格の理由付けが現実的。
大冒険する少年や大恋愛する大学生が少ないように、この物語の登場人物もそんな大それた事はしない。
一番ドラマティックな友人カップルであっても震災時のボランティアで知り合った、という程度。
その反対側として現役モデルの友人も出てくるが特別すごいというわけではなくて、地道な研究と努力の積み重ねでパリを目指している世の中に多くいるモデル志望の内の一人、という立場にいる。
その間にはさまれて、辰木桂はどちらに対しても「自慢の友人」と称している。
この辰木桂自身も、心優しい人間のよくできた人、といったような性格ではなく、引っ込み思案で他人に壁を作りやすく、ショッキングな出来事に遭遇すると心を閉ざしたりするイヤな面もある。
連載開始から単行本完結まで、ざっと10年。
個人的には、もう10年ぐらいは付き合えそうな作品だと思う。