そらを自由に飛びたいな

おっさんのぼやきです。

(アニメ)プラネテス


プラネテス 1 [DVD]

プラネテス 1 [DVD]


DVD全9巻。全26話。(レンタルでも出回ってるみたいです)

  • オススメしたい相手

普段、アニメを見ない人向け。なんか最近のアニメって萌えとロボばっかりでなんかオタクっぽいよね、というアナタにこそオススメしたいアニメです。NHKアニメ万歳。

  • あらすじ

現代より数十年後。月や火星の資源が必要となった人類は活動の幅を宇宙まで広げます。しかし人間が活動すればゴミが出るもの。使いすてられた人工衛星、外れたネジ、鉄板などのゴミ『スペースデブリ(宇宙のゴミ)』は無重力空間で秒速6kmというすさまじい速度で移動を続けています。これがスペースシャトルや船外活動員に当たれば大変な事故になります。大手の民間企業はこれを回収する為、協定を結びゴミを拾う部署を用意しました。ところがゴミ拾いという利益の出ない仕事は社内でも扱いがあまりよくないようです。そんなデブリ課のお話。

  • 中身は昭和

デブリ課スタッフは、事なかれ主義の課長補佐、接待が全ての係長補佐、愛想の悪い事務、時代遅れの喫煙家の主任(船長)、人格者の先輩、キレやすいけど面倒見のいい若者、熱意あふれる新人。
この他にもチョイ役が出てきますがやっぱり昭和な雰囲気です。
宇宙空間でゴミ拾いというSFなのに、一昔前の日本のような雰囲気なので見ていて安心できます。

  • 物理には丁寧

ワープ航法もレーザービームも出てきません。宇宙開発に反対しているテロリストが話に出てきますが、その方法も「巨大な物体に巨大な物体をぶつけてデブリを大量発生させる」という非常にローコストで効果的な方法です。自分はガンダム宇宙戦艦ヤマトが苦手ですが、これはOKです。

  • テーマは愛

宇宙とかスペースデブリとか言っといて愛です。本来、地球で活動するのが精一杯だった人類が宇宙まで活動の幅を広げてどのように倫理が変化したのか。年寄りやベテランはある程度悩んだ後なので割とさっぱりした顔で生活してますが、若者は何かの弾みで「なぜ自分は宇宙にいるのか」と自分に問い掛ける事になります。愛のある答え、愛のない答え、それぞれに悩みながらそれでも宇宙で活動を続けます。愛ってなんだ?

  • どこから白? 黒?

宇宙に出てきても、国籍が宇宙になるわけではなくて、皆それぞれ祖国を持っています。自由で広大であるはずの宇宙でも、白黒つけたがる地上の事情で振り回される人達も出てきます。その人達が言います「どこからが黒でどこからが白なんだ」と。この問いが胸にグサッと刺さります。

  • まとめ

原作漫画だと4冊なのでサクッと読んでしまいたい人はそっちでもいいとは思いますが、アニメの方が個人的にはオススメです。当たり前の話ですがアニメはフルカラーですから。モノクロの宇宙空間に浮かぶ地球のビジュアルがすごいキレイです。自分が爺さんになる頃にはこんな風になってるのかなあ、と思うと少し楽しみでもあります。