そらを自由に飛びたいな

おっさんのぼやきです。

彼女は歌うよ。いつまでも。


奴隷について熱くなってるようなので自分もアレな話をしようと思う。
http://d.hatena.ne.jp/pal-9999/20080327/p1
http://d.hatena.ne.jp/good2nd/20080327/1206634772
http://d.hatena.ne.jp/muffdiving/20080327/1206630990
http://d.hatena.ne.jp/orangestar/20080328/1206658845


自分が生まれ育った田舎町には、フィリピンパブがあり。
フィリピーナと呼ばれる人たちが、スナックのような事をしてます。
と同時に売春もしてて、漁師になりたての若いやつがハマって給料全額つっこんで親に殴られたりしてます。


多分、日本海側の漁師町だとあたりまえの光景だと思う。別にどうって事はありません。
それが「普通」です。
たまにフィリピーナ達が日用品の買出しをしてるトコに遭遇します。
町の人たちは誰も挨拶しないし、係わり合いになろうとしません。それが「普通」です。


でも、彼女らはおそらく母国語で何かを喋りあい、笑いながら買い物をして、町の人が車で行き交う道を自転車で帰っていきます。
たまに歌を歌いながら帰ったりもしてます。


でも、たまにメンツが変わります。
何が起きてるかは知りません。
目標金額を稼いで国に帰ったのかもしれませんし、逃げ出したのかもしれません。
「関わらないのが一番」なので、知ろうとも思いません。
(実際、裏にヤがいますし、その事も町民のほとんどの人が知ってます)


若い漁師は稼ぎがものすごく少ないです。
都会の人からすれば「それで生活できんの?」ってぐらい少ないです。
でも、親と一緒に住んでたり、漁師専用の格安賃貸住居もあるので、さほど困ってる様子はありません。


そんな若い漁師を相手にするフィリピーナがどの程度稼いでるか、は高が知れています。


そういう事です。
少なくとも20年前にはこの光景はありましたし、きっと20年後もあります。
フィリピーナが他の国の人に代わる事はあっても、田舎町に若い漁師がいる限り、この商売は廃れません。


日本のソープランドにも「どう見ても日本人の顔じゃねえ!」ってのがいます。
まあ、それ以前に人間の顔に見えないんですが、そういう格付けでもされてるんじゃないかな、と想像で思います。
十把ひとからげで、女を集めてきて「おまえは顔がいいからスナック。おまえは体がいいからヘルス。おまえは。。。どっちもないから風呂」そんな感じかと。


じゃあ、それが本当にダメな事か、と言われるとよく分かりません。
なぜなら、彼女らにはそれしか方法がないからです。


吉幾三の歌で「おらこんな村いやだ。カラオケねえ、ステレオねえ、そもそも村に電気がとおってねえ」というのがあります。
そういう状況下から、脱出をしようとすれば「銀座で山買ってべこ飼うだ」という計画を立てざるを得ません。


行動しなければ「村に若者おら一人」という状況のまま、年老いていく事になります。
行動した所で「銀座で山買って」という計画は失敗して、悪い方向に転がるかもしれません。
でも、良い方向に転がるかもしれません。


世の中には無数の歌があります。
最近の日本では、明るい歌が多いようですが、ちょっと歴史を探れば、辛い事を耐える歌、しんどい事を我慢する歌、隣の芝は青く見えるだけだというような暗い歌がたくさん出てきます。


どういう違いがあるか、というと最近の明るい歌は「聞く歌」ですが、暗い歌は「歌う歌」なんです。


だから、彼女らは歌います。知らない土地で知らないものに囲まれて、分からない事に悩みながら、歌います。
自分には彼女らが何語で歌ってるかも分かりませんが、どういう歌を歌ってるかは分かります。


「がんばろう。昨日の自分と家族の為に、明日の自分と家族の為に」


今も昔も、歌う歌のテーマはこれひとつです。
今も昔もこれからも。