そらを自由に飛びたいな

おっさんのぼやきです。

学校で村おこし。


思うトコあったので書く。あくまで一例。


いわゆる地域ブランドと呼ばれる産業の価値を上げる方法があります。
食べ物によく見られる手法で「松阪牛」「北海道じゃがいも」「水戸納豆」「博多明太」「香住かに」などなどがある。
どれもこれも価格競争から脱出する方法のひとつです。


自然とそう呼ばれるようになったのもありますが、大半は誰かがブランド化させたものです。
んで、食べ物はさておき。


仮に「歯裸熟アクセサリー」とします。
歯裸熟市は、大手アパレルブランドからの注文を受けてアクセサリーを製作する、といういわゆる下請け産業で潤ってきた地域でした。
ところが不況と流通の合理化により中国や韓国に注文を回されるようになり、市全体が更なる不景気に巻き込まれて、苦肉の策として歯裸熟市の工場が直接看板を上げて物販を開始しました、とさ。


似たような例は全国に山ほどありますが、これがマズイのは素人さんでもちょっと頭をひねれば分かると思います。


まず、物販を開始すると、大手からは総スカンに近い対応を取られます。
今までは「注文を受けてくれる工場」だったから注文を回してもらえましたが「アパレル販売をする業者」となれば同業者、つまりライバルです。
仕事を回してもらえなくなるのは当然です。
そして、今まで下請けやってたようなトコが、大手とガチンコで戦ってどうにかなるわけがない。
というわけで、余計に先細りになるわけです。


これ、地域ブランドの「地域の強みを活かす」という根本的な部分からズレてるから、うまくいかないんですね。


じゃあ、歯裸熟市の強みってなんなのか、っていうと「長年の下請けで積み重ねた技術力」なんですよね。
これを活かすには「もっと技術力を底から上げて技術そのものをブランド化する」という事なんです。


そこで学校を作るといいんじゃないかな、と思います。
専門の学校を作って技術を生徒に教えれば、会社で新人を育てるのと違って授業料もらえますし「向いてないから辞めます」と言われても、損がありません。
あと、これが一番重要なんですが生徒がアクセサリーの良し悪しを分かるようになります。


地域ブランド化で一番困る存在が「モノの価値がわからん客」です。
中国産と国産の違いも分からん。バッタモンと本物の違いが分からん。
劣化コピーとリメイクの違いが分からん。
そういう客が一番困るわけです。んで、こういう客が多い業界は間違いなく廃れます。
(客が悪いわけじゃなく、説明不足をほったらかしにした業界が悪い)


学校を作れば、その生徒は「モノの価値が分かる客」になります。
そういった客が友人家族に「アクセサリーを買うのにアドバイスをくれ」と頼まれるのは割とよくある話です。
つまり学校を作れば、職人候補を増やす効果もありますが、それ以上に客候補を増やす効果があがるんですね。
この効果は卒業直後、あるいは在学中からでも確認できます。


あと新人が増えれば、中には成長速度の早い優秀な人もいますからベテランも「こりゃ油断してられねえな」と良い気付けになります。
実際、製作技術でブランド化してる地域には、必ず新人vsベテランという構図があります。
その切磋琢磨で更なる技術力アップが図られるわけです。


んで、具体的なやり方。


例えば5社から1人ずつ人間を集めます。これで5人。
集める人間はベテラン(月収30万円/月20日勤務の人材と想定)
1週間に3時間ほど講師として授業してもらいます。
1時間で教材制作。2時間で講義。講義が長いようなら1時間半ずつ。
5人いるので週5日を交代で回します。
週1日3時間の負担なら工夫でどうにかなるレベルだと思います。
通常の勤務時間内が厳しいなら、18時以降に3時間ずつでも構わないと思います。
大体、そういう地域って夜中にする事ねえしな!(ホントに)


お金の話。
時給換算すると1日8時間労働で時給1875円。
通常の仕事とは別枠でするので、残業手当1.2倍で講師料は時給2250円。
5人が3時間ずつなので人件費33750円。
教材制作費は5日で1万円。
場所は会社の会議室なり、工場なり使えば無料。
これで1週間43750円。


講義1コース3ヶ月だと、13週で57万円。
生徒が10人集まるとすれば6万円ずつの授業料でどうにかなる。
これなら、そこらの専門学校より安いぐらいだし、地域で有名な産業であれば親からの理解も得やすい。


一応「MAXでこのぐらいの金額かかる」という例なので、工夫すればもっともっと安くなると思う。


ちなみに一番安上がりの例は「通常勤務時間内に講義をして、教材は各社の端材を使う」という例。
これだと人件費1875円x5人x3時間なので週28125円x13週で37万円程度でおさまる。
生徒10人いれば、1人あたり4万円でお釣りが出る。


ただ、間違っても「人件費なんかタダでいいじゃねえか」というやり方はダメ。
責任の所在が曖昧になるし、余計なタダ働きが増えただけになるので講師のモチベーションが全くあがらない。


生徒一人あたり6万円ないし4万円の学校代というのは、地域によっては「高い」と言われる事もあるけど、そこは3ヶ月という短期間と、地域ならではの産業なんだから親の説得は割としやすいと思う。
なにより現場製作は手に職つくしね。


以上、書き散らしました。
半分、自分の考えのまとめも兼ねてます。