そらを自由に飛びたいな

おっさんのぼやきです。

搾取からの脱出。

知人(35歳)が昨年「なんか搾取されてる気がするから辞める」と家業から出て行き、奥さん側の実家の商売に転職したんですが。先日「やっぱ合わないから戻る」と自分の両親に申し出た所「ふざけんな!」と怒られたそうな。
まあ、同じく家業で働く自分の感覚で親に搾取されてるか、っていうとそりゃもうバッチリ搾取されてるんですが、それを搾取してる人に言っちゃったら、相手も気分悪いでしょうよ。尾崎豊じゃないんだから。


以前、海外のドキュメントで「19世紀初頭のイギリスの貴族と庶民になったつもりで過ごそうぜ」って番組がありまして貴族役とメイド役を公募で素人を集めて「庶民は貴族様のおかげで生きてられるんです」という当時の階級社会を再現してたんですね。
その生活が終了、となった時に貴族役の人たちが「ありがとう、君たちのおかげでいい思い出が出来たよ。お互いに良い関係が築けた」とか涙ぐみながら言ってんだけど、メイド役の人たちは真顔。超真顔。
それもそのはず、メイド役の人たちは、ひたすら人権もなく世話をしてしんどかっただけですから。


搾取されてる側に意識はあっても、搾取をしてる側に意識がある事ってそうそう無いし、実際搾取してる側も見えない所でそれなりの苦労を抱えてるので、まあ、ケースバイケースで一般論で片付けられるもんじゃねえよな、っていう。
ただ、出て行くにしろ、今まで育ててもらったのは事実だし、その分の金を稼いでくれたのも事実なので、コンゴトモヨロシクしといた方が、将来不安な世の中なので、良いと思うんです。
でも、意外と「親なんてシラネー」とぶっておきながら、結婚だの出産だの育児だのとなると親を頼らざるを得ず「テイクはしたのにギブがないじゃないの」とその弱みを介護問題や子供の祝い事の度に持ち出されて、親からは「恩知らず」と言われ、嫁からは「どっちが大事なのよ」と言われ、ああ、困ったもんだ、とりあえずユウメンタルクリニックの予約すっか、となるハメの人が多いんじゃないかと思います。


若い内は「まあ、若気の至りで」で済むことも多いですが、オッサンのする事じゃねえよな、と思う今日この頃です。もうちょっと考えて物言おうぜ。