そらを自由に飛びたいな

おっさんのぼやきです。

歌姫と男。

ある国に歌姫に熱をあげた男がいた。
男は日に日に熱を注ぎ、金銀宝石はもちろん、食べ物や着る物までふるまった。
お金がなくなると自分や家族の衣服や住んでいた土地まで質に入れてお金を工面した。
その姿に呆れた妻は家を飛び出し、残されたのは子どもだけになった。
それでも男は「歌姫さえいれば」と気にしなかった。
ある日、とうとう男は子どもも売り払ってしまった。
その最後の金を男から受け取り、歌姫は言った。
「今まで応援ありがとうございました。今日で卒業となる私の最後の曲を聞いてください。曲名は……」