そらを自由に飛びたいな

おっさんのぼやきです。

ドラッカーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら赤面すると思う。

とあるweb系媒体の中の人が「欲しいのはサラリーマンじゃねえ、同志だ!」と志の内容には一切触れずに同志を募集していて、ホントにこれで現役ライターなのか、と思う今日この頃です。
バンド雑誌のメンバー募集ページで『当方ボーカル。ギターベースドラム募集。最高の音楽をつくろうぜ』を見かけたようなアンニュイな気分になりますね。


ブラックだのブラックじゃないだのというのは、主観的なものなのでさておくとして。
町工場の求人の「仕事きついし給料安い! でも続ける気さえあるなら、一から教えます」って方が「素人も見捨てたくない」という意思が見え隠れして、よほど志に触れているよなあ。


ただ「スタッフ10人いるけど、全然ダメだ! 誰も仕事しねえ! したがらねえ!」というのは、マネージャーとして「ぼくちん無能です」と主張するに等しい事なので、まあ、あまりオススメできる行動じゃないですね。


例えば「みんなニコニコさわやかな現場」という志があるとして。
じゃあ、みんながニコニコするには出勤時間労働時間はどう設定すべきか、残業代は出した方がいいのか出さない方がいいのか、さわやかにするにはどうすればいいのか、会社に風呂をつけるのか、休日にみんなで草野球でもするべきなのか、休日潰すと苦情が出るから平日の勤務時間でなにかしらスポーツを取り入れるべきなのか、朝ラジオ体操をみんなでするというのはどうなんだろうか、とかとか。


こういう環境作りを一切拒否して「なんでニコニコとさわやかにならんのだ! この陰気くさいオタどもめ!」となじるのは、戦争中に「何故諸君らはSサイズの軍服が着れんのだ! これしかないんだからこれを着れるようになれ!」という伍長みたいなもんなので、漂ってくるのは負け戦確定のお知らせと、いつ脱走するかという目配せと、それを防ぐ為の伍長の構える銃口という。


志を吠えるだけなら犬でも出来る。


■クビにするのは慣れると怖いよ。
人材の流動性が高いメリケンだと「今すぐ荷物をまとめて出ていきたまえ」みたいなのが割とあるみたいですけどね。
日本だと結構キツイ印象だから誰もやりたがらん。


んでも、一度「クビだ! 出ていきたまえ」を使うと、その小さくないストレスをカバーすべく「大志の為には仕方ないのだ」と自己陶酔に浸ってしまって、ズバズバ切るようになっちゃうという弊害もあるので、個人的には解雇は一度たりともすべきではない、と思っています。
また、クビを切られる人と切られない人の差は、切る人が思うほど、外野には伝わらないので「俺らと一緒に頑張ってたあの人が切られるなんて」と殿がご乱心でござると思われるのが関の山なので、士気はよけい下がるし、生産効率なんてグダグダになる一方。


まあ、自分の志向が「使える人間を集める」より「人間を集めて使えるようにする」なので、こう思うだけかもしんないけどね。
会社側がどんだけ「辞めないでくれー」って思ってたって、親が倒れりゃ帰郷するし、妊娠すりゃ女性は辞めていくもの。それを責めるひとでなしになる気はない。
だったら、希望する技術レベルよりワンランクツーランク下だったとしても、前担当者と同じように作業が出来るように環境やシステムを改良した方が悩みが少なくて他の仕事に集中できる。