そらを自由に飛びたいな

おっさんのぼやきです。

見ている方向へ進む。

 
高速で走りまわる機械には「運転者の見ている方向へ進む」という特性があります。
別に魔法や呪いというわけではなく、目線がそちらを向くことによって、体全体の筋肉が自然とそちらへ向く、というだけの話。
 
車だとあまり聞かないかもしれないけど、バイクでは教習の時点できちんと教わるはずです。
一本橋とか顕著ですよね)
 
どうか忘れていますように
http://d.hatena.ne.jp/kasawo/
 

私の友だちが岩登りをするんだけど、落ちたら死ぬかもしれないことを思い出すと必ず落ちるというの。ロッククライミングって、腕を岩から適度に離して、伸縮させて移動するわけね、それがバランスをとっていられる秘訣なんだって言ってた、でも怖くなると人は本能的にしがみつく、岩にこう、ぎゅっと、そして落ちる。

 
細い吊り橋などを渡る時にも「下を見るな」とよく言いますね。
まあ、ロッククライミングも吊り橋も恐怖で動けなくなることを心配しての教えなので、バイクの話とはまた別なのですが。
 
でも「見ている方向へ進んでしまう」という点は一緒だと思うんですよね。
 
例えば「うちのオヤジはダメオヤジだ。あんなオヤジにはならない」と言いつつも、その背中を見ていれば自然とオヤジに似てくると言います。
離婚した母子家庭で育った子は、母の苦労する背中をよく見て育つから、大人になって結婚しても離婚率が上がる、なんて話もあります。
 
「だからダメだー」という話ではなくて。
「見ている方向へ進む」という現象はどこにでも誰にでも起こる自然現象だというだけの話です。
 
自分は体が冷えると足が痛んで、ベッドで寝返り打つのも一苦労になりますし、幼少時の怪我により右手の中指が左手より少しだけ短いですが、仕事や生活でそのことが問題になることはほとんどありません。
(熱いシャワーを浴びれば大抵治ります)
自分の叔父に呑んだくれの大工がいまして、若いころに指を一本まるごと失っていますが、その手で器用に金槌をふるって家を建てます。
 
自然現象で「そこを見てしまう」のなら、目をそらせばいいだけの話なんです。
怖いのは「そうなるとは知らずに、そう見ていることにも気づかず、それを見続けること」です。たったこれだけ。
 
知ってしまえば、なんてことのない話です。
というわけで、今年一年、明るいとこを見てがんばりましょう。