そらを自由に飛びたいな

おっさんのぼやきです。

現実は物語とは違うからなあ。

 
クラス(階級)の違いをまざまざを見せつけられたー、って感じだった。
 
小説で一発当たろうが宝くじがあたろうが、全く手の届きそうにない生活を送る人と出会った。
 
大都会のどまんなかで、のんびりと、とても優雅に暮らすその姿は、いっそ神々しくて、なんだか同じ人間という気がしなかった。
 
ただ、帰宅してから、一眠りして、猫のメシとトイレを世話して、餃子を焼いてお腹いっぱいになってみて思い出した。
 
会話した内容は、ちょっと世間ずれしていたけれど、腹が減って、好きな映画があって、嫌いなものがあって、話したいこと、言いたくないことがある、普通のものだったんだよなあ。
 
まあ、金持ちの子供が孤独だー、なんてのは物語の世界だけの話だと思うけどさー。
自分はその物語を作ろうとする人間なんだから、そこを否定しちゃいかん気がした。
 
■手段ではなく娯楽だった時代に。
 
PIXAR作品は好きなんだけど、唯一スルーしてた作品。
あんまり車とかレースに興味なかったもんで。
 

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けど、車というより街の物語でした。
 
地図からも消されたルート66に存在する『かつて賑わっていた街』に、最新で最速で無駄がひとつもなくてピカピカなレーシングカーが迷いこむ、という話。
 
その街は古ぼけているけれど、世慣れていない気のいい連中がたくさん住んでいる。
 
自分の勝手な解釈かもしれないけども。
 
レーシングカーは、レーシングカーである以上、最速を目指さなくてはならないし、無駄は出来る限り省かなくてはならない。
 
かつて賑わっていた街の姿に栄光を手に入れた自分を。
その街を「便利だから」という理由で見捨てた『みんな』に過去の自分を照らし合わせて、どちらが本当の幸せなのか。
レーシングカーは、レーシングカーであるがゆえに悩む。
 
面白かったです。
 
しかし相変わらずPIXAR作品は、子供向けのビジュアルにオッサンホイホイなストーリーを持ってくるなあ。
なんか伝統芸に見えてきた。や、すごい技術だと思うんですけどね。
 
■今日の猫。
 
すっかりケージの中が気に入ったようだ。
 
■震災一周忌。
 
いい話とか、ためになる話とか、泣ける話は、世の中にあふれていたので、自分はやめときます。
 
黙祷。