そらを自由に飛びたいな

おっさんのぼやきです。

そこにありうる危機。

 
木嶋被告に死刑判決=全事件有罪、「非道な犯罪3度」―さいたま地裁http://jp.wsj.com/Japan/node_426027
 
祇園事件の加害者について。
http://togetter.com/li/287417
 
■二つは全く別の事件である。
 
片方は、金銭目的で3人の男と交際し、それが発覚することを恐れて3人ともを殺した、とされる事件。
 
もう片方は、桜舞い散る京都を楽しむ人達のど真ん中に車が猛スピードでつっこみ7人が死亡、11人が重軽傷を負った、という事件である。
 
■前者は「状況証拠のみで有罪にできるのか」が争点となった。
『疑わしきは罰せず』の原理に照らせば、有罪にできるわけはないんだけど、結果は見ての通り。
 
これが痴漢冤罪ならよくある話だ。
映画にもなった「あなたが痴漢をしていないということを証明してみせよ」というアレ。
まさかアレを殺人事件でも同じようにやらかすとは思わなかった。
 
■平たく言えば、裁判所は「他に犯人がいなさそうなので、被告を死刑とする」としたのだ。
それも裁判員裁判なので一般人が参加した裁判でこの有り様だ。
 
なんかもう色々と怖い。
おそらく、「おそらく」と想像で言わせてもらえば、裁きを下す側の人達にとって木嶋被告は「死んでもいい人」と断定されたのだろう。
冤罪だろうとなんだろうと関係ない。
何かしら悪いことしながら生きてきたんだろうから「殺しても問題ないだろう」と。
 
自分はこの想像が外れてくれていることを願うけれど、それほど外れていない気がする。
 
■そんな「空気感」や「雰囲気」で判決を出すのなら、最初から六法全書など焼き捨ててしまえばいい。
 
木嶋被告は控訴するそうだけど、ぜひとも頑張っていただきたい。
被告の過去がどうであろうと、今回の判決が不当であることになんら変わりはないのだ。
 
■そして後者の祇園の『殺人事件』だけれども。
 
その常軌を逸した運転に、一時は「また”てんかん”か」と騒がれた。
なんというか、くだらない。
 
「また”てんかん”」と騒ぐ人達の内、いったい何割が正しく「てんかん」を理解しているのか。
中には「癲癇」と書くものすらいる。これはただの馬鹿だ。
 
有事の際には、
『冷静に物事を見極めて、正しく判断を下す』
ことが重要だと言われる。
 
そして、大抵の人は『正しく判断を下す』ことは出来るのだ。
 
ただ『冷静に物事を見極める』ことがなかなか出来ない。
なかなか出来ない、ということすら知らない。
だから、こんな騒ぎになる。
 
ばかばかしい。
 
名探偵の活躍する推理ドラマを見ながら、警察の間抜けな捜査を笑う人達が、現実ではその間抜けな捜査以下のことを平然としでかす。
 
腹を立てるのを通り越して呆れてしまう。
願わくば、関わりあいになりたくないもんだね。
まあ、明日は我が身、かもしんないけどさ。
 
■今日の猫。
 
『言葉が通じない』と分かってる分、猫の方がよほど物分りが良く見えるよ。
 
少なくとも可愛いしな。