そらを自由に飛びたいな

おっさんのぼやきです。

ロビンソン。

 
昔、好きだった漫画があった。
 
主人公は、甘いルックスを持ちながら、女性の前で緊張する奥手な青年で、困っている人を見るとほっとけない性格だった。
 
だから、彼は泣いている女の子たちの前で、優しい男の演技をした。
「そのままで大丈夫」「君が悪いんじゃない」と色んな女性の心を慰めた。
 
でも、しばらくすると、彼の言葉を真に受けた女の子たちが「そのままでいたら、男に騙された!」「自分が悪い、って認めなきゃいけなかったんだ!」と気づき始めて。
主人公のことを「嘘つきの女ったらし」だと責め始めた。
 
主人公は嘆いた。
「ぼくは君たちを助けたかっただけなのに。君たちを助けることで、僕自身を助けたかったのに」と。
 
いい作品だった。
その作品を描いた作家を心からすごいと思った。
 
しばらくして、その作家は、自分の思ってもいなかった方向性の作品を描き始めた。
どうひねっても、自分には納得できない内容で、数年は追いかけていたけれど、そのうち、追いかけなくなった。
 
最近、といっても去年ぐらいにその作家さんの新作が出ていた。
試しに買って読んでみたら、あの頃の激しさで描かれた、とても素敵な作品だった。
でも、残念ながら、自分の感性では、その内容には懐かしさ以上のものは感じられず、追いかけるのをやめた。
 
それからしばらくして、Twitterで男子高校生がその作品名を挙げて「ゲットした! 早く読みたい!」と呟いていた。
発売日の夕方、多分、学校帰りに本屋に寄って買ったのだろう。
 
少しだけ寂しくて、ちょっと嬉しかった話。
 
■や、単にニーズに合ってないだけじゃなかろうかと。
 
音楽業界周辺で「CDがなぜ売れないのか」と未だに議論している人がいるので実際に最近CDを買った人の話を交えながら考えてみる
http://shogoshibusawa.tumblr.com/post/33604034626/121015-78-cd-cd
 
音楽が売れないのは、単に客の気に入る音楽がないからですよ。
 
浜崎あゆみが売れたのは、プロモーションが良かったのも、もちろんだけど、何より、浜崎あゆみの歌がユーザーに刺さったからです。
(自分の趣味ではないですけどね)
 
レディガガもそう、マイケル・ジャクソンも、サザンも、B'zも、槇原敬之も、ビートルズも、エリック・クラプトンも。
 
まず、商品力ありき、なんですよ。
それが無いのに、広告費だけバカスカ使ったって、そりゃ費用対効果落ちますよ。費用対効果が低いから、広告費そのものが減らされる。
広告費が減らされるから、商品力のある歌手ですら、ロクに売り出せない。
 
それほど難しい話だと思いませんけどね。
 
■今日の猫。
 
ビビは、カリカリ食う時と、一口も食わずにそっぽ向く時があるなあ。
 
ありゃ、なんなんだろうなあ。