「浮気をしない」という男はいるもんです。
いるんですけど、じゃあそれがいい男かというと、必ずしもそうではない。
なにせ男には浮気欲があります。
よく言われるのは「ラーメン食いたい日もあれば、焼きそば食べたい日もある。毎日ラーメンじゃ飽きちまう」なんて食べ物に例えた話でして。
そこを「毎日ラーメンで!」というのは、まあ、平たく言えば『我慢』なんですよ。
違うもん食いたい、けど、ラーメンが悲しむから我慢する、と。
そういう筋道の話なんですね。
ところが、我慢というものは、すればするほど自分が偉いと勘違いしちまうもんです。
「自分はこんなに我慢してるんだ! お前らもっと俺を敬え」
そんなことを思い始めてしまうものです。
「自分は我慢してんだから、てめえは家のことをキッチリやりやがれ」
「なんだ定時で帰ってきてやったのに、今日もおかずが3品ぽっちしかねえじゃねえか」
「亭主が帰ってきたってーのに、子どもをびーびー泣かせやがって」
などなど。
フラストレーションは一番気の緩むところで晴らしたいのが人情です。
■「浮気しない」なんてわざわざ言うもんじゃない。
しなくて当然なんですから。
それをことさら口に出す、ってのは褒めてほしいんですよ。
情けねえ根性だと思いませんかねえ。
まあ、自分は浮気しないんですけどね。