「子どもを産むのは、根本的に無責任だ」という話を読んだ。
いわく。
子どもの将来のことなんて、何も分からないし、世の中悪いことの方が多いし、辛いことだって多い。子どもの安心と幸福が保証できないのに産むのは無責任だ! 最低の親だ!
だそうな。
自分は親になったことがないので、厳密には分からんけど。
親にとって、子どもは大切なんだろう。
それは、妊婦さんや、育児中の友人知人を見れば、なんとなく察しがつく。
でも、子どもにとって、親ってそれほど大事かな。
自分は今の境遇をふりかえってみても「親のおかげだ」と思うことは多いけれど、「親のせいだ!」と思うことは少ない。
恵まれた環境で育ったからだろう、とぼんやり思う。
では、子ども自身にとって「恵まれてない環境」ってどういうものだろうか。
お金がないとか高校に行けなかったとか親がアル中だったとか、そういうことは「恵まれてない環境」の条件のひとつだと思う。
でも、多分だけど。
子どもにとって「この点だけは良かったな」と誇れるものがひとつかふたつあれば、それは子どもにとって充分「恵まれた環境」と言えるんじゃないですかね。
落とし穴だらけの世の中だったとしても。
親の手で、ひとつかふたつ、穴を塞いでやれば、そこは安心できる場所だと思うんですよね。
それなりに育てば「落とし穴なんかにはまるもんか」って、一丁前の顔して自分から外に飛び出していくだろうし、しばらくすれば「あの場所は、親が穴を塞いでくれていたんだ」と気づく。
そういうものじゃないのかなあ。