会社作って社員雇ってやってみれば、もー、どうこねくり回して考えようと、8割方、ブラック企業しか出来上がらん。
というのも。
■あいつ、サボってること多いよね。
と思うこと、ないですかね。
「タバコ休憩ばっか行ってる」
「会議中、スマホでゲームやっとる」
「仕事中、寝とる」
そこに紐づくのは「そのくせ、給料は俺と同じ一人前もらってやがる!働けよ!」という気持ち。
これ、経営者になっても一緒です。
■雇われてる側は「社長よりは働かんでも良いやろ」と思う。
だって社長の会社だし、社長が給料一番もらってるだろうし、責任ある立場、人の上に立つ立場、というのはそういうもんだよね。
■雇う側は「俺も現場の一人じゃ」と思う。
だから、雇った人に自分と同じ働き、同じモチベーション維持ぐらいは『最低限』しといてほしい、と思う。
■結果、どうなるか。
社長は残業代つきません。
じゃあ、社員もいらないよね。
社長は倒産怖いから朝早く出勤して働きます。
じゃあ、社員も同じ時間に出勤するべきだよね。
■と、理屈で書くとこうなる。
これに「ホワイト企業にするぞー」とか「世の中の人のためにがんばるぞー」とか「社員の生活を守るぞー」って、理想だけで対抗するのは、超難しい。
だから、労働基準法の厳罰化を求める声が雇われる側から出てくるわけだけども。
それもまた、一側面からの正義でしかない。
「貧しくて忙しくて死んでる人もいるんですよ!」というのは、錦の御旗にはなるけれど、じゃあ、それで社長が会社を畳むかと言えば、それも難しい。
なんせ、今現在もほかの生きてる社員と、社員にのっかる家族の命を背負ってるからね。
その「背負ってる」というのが自己満足や自意識過剰、ヒーローコンプレックスの類であろうと、本人にとっては正義だったりする。
■そういう理由なので。
よく「外国のどこそこでは、こんな風に伸び伸びと社員が家族との時間を大切にしながらー」みたいな労働事情を耳にするけれど。
それ、全労働者の何割がそういう生活で、それはあと何年続けられるの? と聞きたくなる。
こればかりは人の業、みたいなもんだからなあ。
「法律が、国がなんとかしろ」では、進むもんも進まん。と思う。