結論から言えば、人を意図的に変えようという試みは失敗する。
心臓の位置は、だいたいみんな同じような位置にある。
だから、剣でそこを貫けばだいたい心臓に刺さる。
でも、心の形は誰も見たことがない。
自分は、心の形は、卵のようなものだと想像してる。
固い社会性の殻があり、その中に柔らかい粘液のプライベートがあり、さらにその中に本心の黄身がある。
「恋人だから」「家族だから」と黄身を見せてもらったことがあるかもしれない。
触れさせてもらったことだってあるかもしれない。
けれど、通常、そこまであけっぴろげにして暮らしてる人はいない。
とても危険だからだ。
もし、あけっぴろげにして暮らしてるとしたら、社会性が欠如してる、ということだから、病気である可能性が高い。
話を戻す。
誰かの黄身を見て「悪い箇所がある」と気づいたとしよう。
そこだけ取り除けば、綺麗な黄身になる。
でも、黄身から悪い箇所だけ取り除くなんて可能だろうか。
器に卵を割って、黄身の一部分だけを取り出す。
オムレツでも作る時に試してみるといいけど、まず無理だ。
人の心を変える、というのは、そういうこと。
一応、暗示を使えば、行動を操ったりすることは出来るそうだ。
けれど、どんなに強力な暗示でも、本人が望んでいないことは出来ない。
心って、そのぐらい操りにくいものなんですよ。
あと洗脳という手法もあるけど、あれは「変える」というより「壊す」だから、あまりオススメはしない。
なにより暗示にしろ洗脳にしろ、家族が瞳孔開きっぱなしって薄気味悪いでしょう。