他人ごとなので、他人ごとのように言うけれど。
職場に派遣さんで、若いママさんがいる。
子どもが病気がちで、保育園に預けようにも保育園の体制がいまひとつだそうで、しょっちゅう自宅勤務になっている。
出勤するのは、一ヶ月に5日ぐらい。
それでも合間を縫って、自宅から仕事をこなしている。
昼夜問わずどころか、土日も問わず、だ。
とりあえず、本人が倒れないように「回せる仕事はまわしてー」とディレクターには伝えてある。実際まわってくる。もともと、彼女にまわしてる仕事量がそんなでもないので、ヘルプをしても量的には知れている。
エンジニアは、嘘のつけない商売だと思う。
ソースコードを見れば、どういう気持ちで書いたのかなんとなく分かってしまう。
彼女のコードから読み取れるのは、「忙しい」でも「つらい」でもなく、「仕事をやめたくない」だ。
限られた時間で書くから、構造そのものは粗いし、バグも多い。
でも、コメントがたくさん書いてある。
イヤホンつけて集中してコーディングできる状況ではないのだろう。
それでも、短い時間をつないで、なんとかコーディングしよう、としている様が見える。
彼女のプライベートなことは何も知らないし、知らなくていいと思う。
今の東京で言えば、彼女のような例はさほど珍しくもないのだろう。
それでも、なんかいいことあるといいなあ、と願わずにはいられない。