マッドマックスを見てきた。
毎度思うけど、R指定映画におけるイオンシネマの優秀さは素晴らしい。
なにせ、何時の回を選んでもけっこう空いてるのだ。
イオン自体がファミリー向けの施設なので当たり前のようにも感じるけれど、だったらイオンシネマの判断として「R指定は儲からんので上映しない」という選択もあり得るんだろうけど、実際にはガラガラ状態でR指定映画を上映してくれる。
これが繁華街の映画館だったりして、ましてやマッドマックスなんてバカ映画(賛辞)を見に来る層なんて、「これが正装です」とモヒカン頭で入場してきそうじゃないですか。後ろの席のやつのことを考えろ、って後ろ見たら竹馬に乗ったまま視聴してるやつがいる。
そう、そういう映画なんです、マッドマックスは。
テレビもねえ ラジオもねぇ 生まれてこの方見たこたねえ。
畑もねえ、命もねえ、ハンドル毎日ぐーるぐる。
砂しかねえ ガソリンねえ 生まれてきたのが運の尽き。
という世界観で、「勇ましく死ねば英雄になれる」という教義のカルト教団と、そこから逃げ出そうとする女達+主人公がずっとトラックのアクセル踏みっぱなしで身の上話をしたり、敵を撃ったり殴ったり、殴られたり刺されたり、爆弾落とされたり、する話です。
例えるなら、サンタが乗っかったクリスマスケーキあるじゃないですか。あのケーキとサンタに使われてる糖分を全部火薬とガソリンに変えた感じの映画です。
「イライラしてるなー」「なんか色々うまくいかないなー」って時に見ると、ぴったりだと思います。
見終わったあとで放心状態になる映画は久しぶりでした。
■いや、全く期待してなかった。正直すまんかった。
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原作が漫画で、邦画。
もうこの時点で、ハズレ率が99%ぐらいですよ。
全く期待してない。期待できるわけがない。
でも、名の売れてる映画ではあるし、見なきゃ。
マッドマックスを見た後なら、勢いで乗りきれるかも。
そう思って見始めたんですけど、意外や意外。
普通に面白かった。ゲラゲラ笑った。
個人的に良かったのは、容姿で笑わせにきてない点でした。
だって、堤真一ですよ。第一線で活躍する知的な二枚目男性俳優じゃないですか。
それが、ダメ男役を演じる。
42歳で突然会社を辞めて、朝飯前にゲームして父親に怒られて、街中をぶらぶらした挙句に「漫画家になる」と世迷い言をぬかすオッサンですよ。
もうビジュアルだけで面白いんですけど、そこはサラッと流して、話で笑わせにくるのがすごく良かったです。
あと、タイトルとビジュアルで、「漫画家になる、と言いつつ、結局何もしないオッサン」かと思いきや、意外と漫画描くし、持ち込みも普通にしてるんですよね。
そう、これ、全然ダメ男じゃない。
年齢を言い訳にせず、ポジティブで攻める姿勢がむしろカッコイイ。
金銭的な関わりあいになりたくはないけど、飲み友達にはほしい。
基本的にいいやつなんですよね。バカだけど。
なんかこー、「昭和の助け合いの良き文化がー」とか言ってないで、こういうのを『日本の人情モノ』として世界に売りだせばいいのになー、とふと思いました。
42歳の子持ちのオッサンがここまで自由にやって「ありそう」と思える国って早々ないよー。