かつて、ドリフターズ、というグループがいた。
そこは要点ではないので説明は省く。
要するに、お笑いをしてた人たちだ。
お笑いをする人たち、というとどんな人たちを思い浮かべるだろうか。
まず、ボケ役が必要になる。
ボケにツッコミを入れなきゃお笑いは成立しないので、ツッコミ役も必要になる。
お笑いの最小構成はこの二つだ。
では、高木ブーさんはどちらだろうか。
どちらでもないのだ。
ただ、穏やかに微笑み、そこにいる。
動きは鈍いし、しゃべり方も遅いし、台詞も別に面白くない。
当時、自分は「絶対、この人、頭よくないだろう」と思っていた。
おそらく、全国の子ども達のみならず、大人にいたるまでそう思っていただろう。
「なんだこいつは」「やる気があるのか」
「ギャグのひとつも言わないじゃないか」「いったいなんなんだ」
これが、高木ブーさんである。
この高木ブーさんを擁するドリフターズは、当時、大人気だったし、今でも「あれに適うお笑いはない」なんてことを言われたりもするぐらいファンが多い。
お笑いだけなら、高木ブーさん無しでも成立する。
でも、きっと、高木ブーさんがいた方が良いんだと思う。
今、職場やその他の場所を見るとき「ここに高木ブーさんの居場所はあるだろうか」と考える。
世の中、ボケとツッコミだけではない。
「ただ、微笑む」という人もいるのだ。
高木ブーさんが生きづらい場所は、たぶん、楽しさが長続きしない場所なのだとぼんやり思ってる。
■全然関係ないけど。
昔「若い頃のカトちゃんに似てる」と言われたことがあった。
なんだよー、と思ったけど、このDVDパッケのカトちゃん、自分にソックリだわ。