裁断済みの商品がヤフオクに出品されてる。
http://bit.ly/d9nYDN
軽くショックを受けた。
確かにスキャニングすれば便利なんだろうと思う。
いつまでも劣化せず、大量の本棚を所有せずに済むから部屋もスッキリするんだろう。
でも、それを堂々と「電子化しました。いい本ばかりです」と言ってんのがよく分からない。
自分も本は売る。
部屋のスペースに限界があるので、どうしようもなく売る。
あえて悪い言い方をするなら、邪魔だから売る。
でも、それを裁断しよう、という気にはならない。
例えばドラゴンボール。
ナンバリングを揃えて並べると、カバーの背表紙が一枚の絵になってる。
あれは「本棚に並んだ時にそう見えるように」と考えられてデザインされている。
もちろん裁断したら、そのことは分からない。
デザイナーの意図とは全く違う見られ方をして「なんかハンパな背表紙だな」と思われるのだろう。
あるいはそもそもカバーには見向きもしなくなるだろう。
自分は漫画を描いた事がない。だから本当のトコは知らない。
作者としては「別にいーよそんなもん」と思ってる人が多数なのかもしれない。
でも、自分が仕事でなんらかのデザイン、例えば店頭に貼るポスター１枚を引き受けたとしたら。
その貼られる姿を想像し、仮データを作って「見やすさ、サイズ、向き、どういう形にすればその場所にしっくり合うのか」を何度も考える。
でも、その出来上がったものが店頭に貼られず、路上で配られるチラシだと知ったら、自分は腹が立つ。だったら最初にそう言ってくれ、と。
店の人も配る人ももらう人も誰一人気にしなかったとしても自分が気にする。
「そうじゃないんだ！ そのポスターは店頭であのライトに照らされて、初めて映えるんだ！ 頼むからそんな日光の下でビラビラさせながら見ないでくれ！」と心の底から思う。
仕事だから我慢するけど。
自分が技術的に未熟なのは分かっている。
でも、その時の自分が精一杯考えた結果なんだから、せめてちゃんと評価してくれ、と思う。
まあ、甘いんだろうけどさ。
そう、甘いんだと思う。
漫画だってこういっちゃなんだけど、ただの商品だ。
購入者が破ろうと切ろうとそれは購入者の自由だ。
でもなあ。やっぱり、納得はできんよ。
