そらを自由に飛びたいな

おっさんのぼやきです。

あの舞台をまだ覚えてるなあ

中年の昔話。

 

先日、故郷で、演劇の大きなイベントがあったそうな。

詳しくは知らないけど、ニュースになるような大きなトラブルもなく無事終わったそうな。

(知人の劇団も出演してたようで、その情報発信経由で知った)

 

そんな演劇イベントをさかのぼること、15年。

2007年とか8年ぐらいだったと思うけど、その頃にも一度、田舎町で演劇舞台があった。

演目は『笑の大学』、三谷幸喜脚本で、演者2名による会話劇。

美術も必要なくて、机1つと椅子2つあれば成立するという費用的に優しい演目。

(ってことは必然的に、舞台クオリティ=演者の力量、になるので難易度の高い演目だと今なら分かる)

 

劇団は結成したばかりで、団長さんは名前を失念したけど、東京で演劇をされてた方、とパンフに書いてあった気がする。

東京で演劇の経験を積んで、故郷の町で劇団をたちあげて、メンバーも地元で集めて「この町に演劇文化を」といったことが書いてあった記憶がある。

 

自分は、三谷幸喜ファンであり、演劇舞台も興味があったので、見に行った。

地元の文化会館で、客数は演者の知り合いであろう10人ぐらい。ガラガラだった。

自分は舞台がよく見える中央の席を陣取った。

 

舞台は、役者2人の力量のギャップが埋まっておらず、迫力の不協和音が約2時間続くという内容だった。

当時の自分ですら「これは脚本が」「時間が」「演者は」などなど色々と気づく点があった。「でも、気づいていてもどうにもできなかったんだろうな」と察した。

『ダメなところを見つける』能力と、『それをどうにかする』能力は別物だからだ。

 

見つけたからにはなんとかしたい、と思うのが人情だと思う。

けれど、なんとかするには、ヒト・モノ・カネの壁が立ちはだかるし、毎回それをクリアできるわけではない。っていうかクリアできないことの方が圧倒的に多い。

 

舞台のアンケートに「次を楽しみにしてます」と書いた。

でも、何年たっても次の舞台はこなかった。

その初回公演のみだった。

 

今、故郷の町とその周辺は演劇で盛り上がっているらしい。

検索してみて気づいたけど、演劇の学校などもできているらしい。

もしかすると、何年か後には自分が仕事先で自己紹介をした際に「ああ、あの演劇の」などと反応をもらえるかもしれない。

故郷を指して『文化的要素が一切ない町』などと言えなくなるかも。

 

あの団長さんは、今はどうしてるのだろうか。

熱量あふれる演技で今も役者をされてるのだろうか。

元気でいてくれるといいなあ。

 

と、そんなことを思い出した。