読んだ。
「あぶらかす」を当たり前に食べて育った著者、と書けば、どういう育ちかはある年代以上の近畿圏の人にはピンとくるんじゃなかろうか。
そんな著者が、世界の被差別階級に会いにいく、なるほど・ザ・ワールド。
初版が2005年、当時30歳そこそこの著者が作中で「20代の大半を使って取材」とあるので、おおよそ1990年後半から取材は始まってると思われる。
なんでわざわざ、こんな推測をしたかというと、本の内容が結構ショッキングなのだ。
未だに当たり前のようにアメリカには差別が残っている、という話が特に。
アメリカの白人以外への差別については自分はあまり詳しくない。
でも、映画バック・トゥ・ザ・フューチャーでは、1980年代の『現代』が「黒人差別のない世界」として描かれていた。
だから、そっくり信じこんでたのだ。
でも、改めて「今もあるよ」と言われてみると、思い当たる節はいくつもある。
例えば、ハリウッド映画には必ずといっていいほど主な登場人物に黒人が混じってる。でも、テレビドラマはどうだろうか、とかね。テレビドラマは映画よりも極端に視聴率を重んじる。そして、振り返ってみると自分の見たドラマはどれも白人が主人公で、アジア人は登場したけれど、黒人はほとんど見かけなかった。登場してきてもなんらかの事情ですぐ退場する。
それが差別だとは断定できない。でもきっとそういうことなんだろう。
ちなみに、日本には今も普通に差別が転がってます。
この本には載ってなかったけどね。
一見すると、もっともらしい理由がついてるけど、関係者は決してそのもっともらしい理由を口にしない。すぐに論破される、ってわかってるから。
だから特定の人にだけ「理由は申し上げられません」と言ってお引取り願う。
世界では、それを差別と呼ぶ。
ヒント:駅前にあるから、大半の人は毎日見かけてると思う。