生産管理の用語。
例えば、「全自動穴あけマシーン」を使って、「この10枚の板に三センチの穴をあける」仕事があったとして。
1)三センチのドリルをマシーンにセットするのに1時間かかった。
2)10枚の板に三センチの穴をすべて開けるのに1時間かかった。
3)マシーンから三センチのドリルを外して、手入れして片付けるのに1時間かかった。
こうして書き出せば、作業時間を計測するのに2だけ拾って、
「そうか、1時間あれば穴開けはできるんだ」と考える人はそうそういない。
でも、現実には、すっごいすっごいすっごいすっごい、もー、そりゃもー、ほぼ全員じゃないか、ってぐらい、大勢!
そうやって考える人がいる。
困る。
■ロボット映画とかで。
「修理に7日かかります!」って報告きてんのに、
ヒーローの上司とかが「遅い!3日で終わらせろ!」とか言っちゃうアレ。
昔はあれがかっこよく思えたんだけどな。
今見ると、修理担当に同情してしまう。
■また、そういう修理担当に限って。
「俺、前線で戦えないからここで頑張るんだ」とかキラキラしちゃってたりして。
ああ、やりがい搾取!!
(設定上は)戦争だから仕方ないんだろうけど。
■創作系でも、だいたい同じで。
「10枚仕上げるのに2時間かかる」というのは、
それまでに、環境を準備して、精神落ち着かせて、せーの! でスタートしてようやく取り掛かれるので。
「編集室に場所用意したから、今から来て2時間で仕上げて」とか言われても、無理なんですよ!
(創作系だとそんな編集は滅多にいないけどね)
脳内段取り時間は、必須。
あと、片付け時間(クールダウン)もないと、変なものが見える状態で、外に出たりして、すごく危険。
全然関係ないときに「いや64歳の苦悩がさ」とか喋りだしたりするよ。
(64歳の何かが見えてる)
■昔読んだ「作家になれる本」みたいなやつで。
子育て中のママさんが、子育ての合間の30分とか細切れの時間で、すぐに作家モードになって台所で書き始める、という話があって。
「慣れってすごいですよね」って書いてあったけど、あれ、びっくり超人コンテストに出れるレベルの特技だと思うわ。