そらを自由に飛びたいな

おっさんのぼやきです。

海外ドラマのローマ


ROME[ローマ] コレクターズBOX [DVD]

ROME[ローマ] コレクターズBOX [DVD]



DVD見終えました。全11巻。
最後まで面白かったー。
ネタバレも含んだ感じで感想をダラダラ書きます。


時代はローマが共和制から帝国制に移り変わる時期です。
(紀元前40年とかそのぐらい)
元老院でモタモタゴタゴタと老人達が集まって何も決まらない話し合いをしてた所に、ジュリアス・シーザーが軍を率いて諸外国の領地を奪って「オレが権力を握るぞ」と元老院制度を崩壊させようとするんだけど、暗殺されちゃって。


その後、シーザーの後継者として指名されたオクタウィアヌスと、シーザーの腹心だったアントニウスが争っちゃって。中立として同じぐらいの地位のレピドゥスを引き入れて、対立しないようにしたんだけどレピドゥスが空気すぎて、結局、対立は深まっちゃって。
オクタウィアヌスに「浮気を市民にバラすぞ」と脅されて、アントニウスはエジプトの総司令官に左遷。


でも、ローマの食糧事情を支えるエジプトを抑えた事と、エジプトの女王クレオパトラに骨抜きにされて、乱心したアントニウスは軍事力じゃかなわないのにローマ相手にケンカ打っちゃって。
「まってましたー」と言わんばかりにローマ軍にフルボッコにされて、アントニウスとクレオパトラは自害。
こうして、ローマの内乱は終わって、平和になりました、と。


これが大筋。
この辺の歴史には詳しくないので、細かいトコは気にしないでください。
とまあ、動乱期なんですが、このドラマの魅力は、一般市民です。


第13軍団としてシーザーの兵士だった百人隊長ボレヌスと、その部下のプッロが良い。
ボレヌスは9年間も遠征してたせいで家族との間に溝が出来、それを埋めようとするんだけど、軍人としてのプライドが邪魔してうまくいかない。
挙句にヤクザと対立してしまって、商売もロクに出来ない。
プッロは常にどうにかボレヌスの「家族と仲良くしたい」という願いが適うように支える。


でも、軍人としての本能が染み付いてしまってる二人に、まっとうな市民生活なんてのは送れるわけもなく、次から次へと戦いを生み出していく。
最後の最後まで、仲のよい二人でした。
男同士の友情ってこういうものなのかな、と思いました。


んで、当時のローマで問題になっていた「シーザーが膨らましすぎたローマ軍にどう始末をつけるか」を具体化した二人です。『軍人は市民に戻れない』っていう。


あと、女性陣。
シーザー、ブルータス、オクタウィアヌス、アントニウスと男達が覇権を争ってる最中にも、その近しい女性達が争いをしてて、それが非常に陰惨で残酷で面白い。
特にオクタウィアヌスの母であり、シーザー、アントニウスの愛人であったアティアが、一際、光を放ってます。


プライドが非常に高く、自分が世界の中心で、自分の思い通りにならない事には腹を立て、邪魔をした者には容赦をしない。
ライバルのセルウィリアに対して、チャンスがあれば、公衆の面前で全裸に剥いたり、髪の毛を切ったり、拷問にかけて殺そうとしたり、とえらいこっちゃです。


また、それに対してセルウィリアも一歩も引かず「殺すなら殺しなさい。でも殺したらあなたの負けですよ」と言う気の強さ。


すごいです。貴族の女は怖い。


物語の途中で、オクタウィアヌスが「女性はローマを支えてきました」と女性達に演説するシーンがあるんですけど、ホントその通り。
貴族の女が元気な内は、ローマも元気なんですよね。
んで、貴族の女が弱るとローマも弱る。逆も然り、でしょうけど。


歴史的人物を中心に沿えちゃうと、過去作品の焼き直しになっちゃうから、市民や女性を中心に話を進めた、ってのはグッジョブ! でした。


でも、全22話だから、単純計算で22時間かな。
うーん、大河ドラマを見た事ある人だとちょっと密度を薄く感じちゃうかも。
大河ドラマばりに40時間ぐらい使ってくれないかなー、と思いました。