「デザインを勉強した方がいいですよ」と言われた。
その根拠は?
「仕事の幅が増えます」
でも給料は上がらないでしょ。
「それは……そうですけど」
■本屋に置いてあるポップ。
大きな本屋だと、あちこちに手書きのポップが配置されている。
「この本おすすめ!」といった簡素なものから、イラストや読後の感想まで描かれた気合の入ったものまで。
あれ、制作にお金は払われてないのよね。
あのポップは効果があるから作られている。
けれど『効果を測れない』という理由で、報酬はケチられる。バイトが就業後に作ってたりする始末だ。もちろん労働法違反。
雇用主は「たかがこの程度でガタガタ言うな」と思ってるし、バイトはバイトで「このぐらいでグダグダ言うのもな」と思ってる。
お互いに『デザイン』の価値を認めてないのだと思う。
■製品だってポスターだってそう。
本当なら、単なる時給だけじゃなくて、顧客の満足度や売り上げに応じて『創作力』に対しての見返りを払うのが正しいのだと思う。
けれど、そうなっている企業は少なくとも国内には無い。
どこから仕事で、どこからがプライベートかなんて分けられるもんじゃない。プライベートの時も「よりよりものを作るために!」と頑張っている人を評価する仕組みが必要なんだ。
そういう仕組みもないのに、会社のために、仕事のために「よりよいものを作るため」好きでもないことにコストを割く、っていうのは自分にはムリだ。
だったら儲からなくても好きなことをしていたい。