闇金ウシジマ君の13巻を読みました。
- 作者: 真鍋昌平
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2008/11/28
- メディア: コミック
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以下、ネタバレ。
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今回の出会いカフェ君編では、ウシジマ君はあまり出てこない。
二十歳前後のニート女性が主人公。
ニートだから暇で金ないけど、友達と遊べたらそれでいいじゃん、ってなタイプで、割といまどきの女性。
就職を探すも、高い給料のところばかり目をつけて「キャバか風俗しかない」という理由で働いてない。
母親が幼い弟と共にパチンコ通いしていて、父親はキャバ通いが激しくて顔も見てない。
んで、母親が闇金に手を出した事で、ウシジマ君と主人公の接点が現れる。
母親の借金を肩代わりする為、そして楽して儲ける為に主人公は出会いカフェという援助交際の溜まり場のような場所に通い始める。
(手をつないで5千円、とか会話して1万円、とか)
さあ、ここからどんな転落劇が待ち構えているのか。
と期待したんだけど、転げ落ちなかった。
色々あって、最後は時給750円のバイトをして、母親の借金を全額返済する。
(多分、そんなに大した額じゃなかったんだと思う)
全額返済した後、部下に「あの子、戻ってきますかね」と聞かれてウシジマ君が「もうあいつはこねえよ」と言う。
「出会いカフェで稼いだ5万とバイトして稼いだ5万は同じ金額だが重さが違う」
ラスト。主人公は彼氏に自転車でバイト先で送ってもらいながら笑顔で話しかける。
「お金稼ぐって大変だね」
*
これは、ご都合主義に見えるかもしれないけど、多分、現実に近い話なんだと思う。
分不相応な願いであったり、楽して儲けたい、という心があれば、そこに闇金ウシジマ君は現れる。
そして、全財産をぶんどった挙句、黙って立ち去る。
勤勉である事、勤労である事、両手におさまる幸福で満足する事。
そこにウシジマ君は現れないし、登場する事が出来ない。
あと、主人公の友人で売春ばっかりしてるブサイクな子がいるんだけど、本人も売春はいけない事だし、やってもどうしようもない、ってわかってはいるんだけど「じゃあ誰が私の若い時間を買ってくれるのか」と、泣いてた。
客とは金をもらわないと寝ない。理由は「好きになったら困るから」
彼女の前にもやっぱりウシジマ君は現れなかった。
世の中に学校と名の付くものは山ほどあるけど、高度に洗練された社会の中ではそれでも教育が全く足りていないんだよな、としみじみ思った。