先日、千葉の国立民族学博物館に行った時に、抜粋されていたワンフレーズに惹かれてこの本を購入した。のだけど、どんなフレーズかは忘れた。
(撮影禁止エリアだったので、書名だけメモって売店で購入した)
日本の民俗学に大きな影響を与えた宮本さんの自叙伝です。
研究ばかりではなく、百姓やったり、役人をしたり教師をしたり、と生活の合間に研究を進めた人で、「すごい学者ってこういう人もいるのか」と驚きを感じた。
太平洋戦争の戦前や戦中の暮らしぶりも描かれているので、好きな人にはオススメできます。『ラジオから流れる玉音放送を前に、日本中の国民が膝をついた』とか教科書の嘘ですからね。
(私は、生前、祖父母からそのへんの話は聞いた)
感想はここまで。
私自身が初めて行ったフィールドワークっぽいことを思い出したので書く。
といっても、当時は「フィールドワーク」という言葉は知らず、『現地の人から土地の古い話を聞くの楽しい』ぐらいの認識だった。
宮古島にいった時。
着替えを洗濯するために訪ねたコインランドリーで、オーナーであるご年配の女性と話をする機会に恵まれた。
女性は(宮古島より小さな)多良間島の出身で、若い頃に、漁師の男性に見初められて、大漁旗を掲げた漁船で迎えに来られたそうな。
「今の人に言ってもわからないかもしれんけど」と付け足しつつ、嬉しそうに語っていたのを覚えている。
その後、結婚して男性の住む宮古島で共に暮らし、真水の調達すらままならない厳しい環境の中で暮らし、便利になっていく宮古島を見てきた、といった話をしてくれた。
旦那さんは老いてお亡くなりになり、女性は昼間のクリーニング屋でのんびりして、客を捕まえては話し相手になってもらってるらしい。
「また、おいでよ」と言っていたので、その後、島に滞在中、2、3回覗いたのだけど、あいにく留守だった。(無人のコインランドリーで留守も何もないんだけど)
また、宮古島を一人でぶらりと訪れたいな。
今なら、あの頃よりもっとちゃんと話を聞けると思う。