自分はファミコンからのゲーム好きだ。
けれど、実はファミコン初期によくあった「エンディングのないゲーム」というのが非常に苦手であった。
シューティングゲームにはいまだにあるのだけれど、最終ボスを倒した後で難易度が上がってまた最初から始まる、とかもう悪夢としか思えない。
「ミスしてないんだから勝手に終わらせるな」という意見もあるのだと思う。世の中的にはそっちのが主流かもしれない。
けれど、自分は「ビッグバイパーは世界を救ったのだから、戦わなくてもいいじゃないか」と思ってしまう。
ゴールに達した時点でゲームクリア。おめでとう。もう君はこのゲームをする必要はない。
そう言われた方が自分はずっと楽だ。
確かドラクエ3だったか。
クリアした後に世界を自由に動き回って、救われた後の世界を見れる、というモードがあった。
きっと多くの人は「なんて素晴らしいアイデアだ」と喜んだと思う。
でも、自分はその世界がイヤだった。
魔王が死んだというのに、勇者はいまだに勇者のままだ。
世界中の町を訪ねて「魔王を倒してくれてありがとう」と感謝の言葉を受け取りながら、もうその町に自分がいる理由がない事を確かめていく勇者。
プレイヤーはその内、飽きて投げ出す。
しかし、その世界の中では、ずっと勇者は勇者のまま、する事もなくウロウロし続けるのだ。
それを思い知らされるのが、とてもイヤだった。
こないだ話題になっていたラブプラスというゲームがある。
高校生活で彼女とイチャイチャするゲームだと言うが、終わりがないらしい。
という事は、最後はプレイヤーがデータを消すか、売るか、放置するかのどれかしかない。
クリアが無いという事はそういう事だ。
多くの恋愛シミュレーションゲームは、女性を口説き落とすと「あなたはとてもいい男ですね」とゲーム中の女性から評価をもらって終了する。
やあ、よかったよかっためでたしめでたし、で終わる。
しかし、ラブプラスは違う。全プレイヤーが必ず女性を捨てていく、というゲームなのだ。
つまりラブプラスの中で抱き合おうがキスしようが愛してると百万回言おうが、それらは全て「捨てていく過程」なのだ。
自分も話題になっていたので欲しかったのだけれど、どこか何か分からないモヤモヤ感があって買うのを躊躇していた。今ようやく言葉になった。
とはいえ、実際ラブプラスをやった事はないので、勘違いしている点もあるかもしれない。