そらを自由に飛びたいな

おっさんのぼやきです。

ぼくはきみのヒーロー。


男はヒーローが好きだし、潜在的にヒーローになりたいとも思っている。
んで、それと母親が好き=マザコンであることは関係があって、男にとって一番最初のヒーローは父親ではなく、母親なのよね。


母親は大抵の場合、普通の、どちらかといえば社会的には弱い立場の人間であり、でも「母親だから」という使命感を持って子供と接する。この使命感ってのがすごくて、すさまじい抵抗力と成長速度を誇るのよね。


肉体的な成長期はすでに過ぎているにも関わらず、子供を抱え上げる為の腕力がムキムキつくし、料理や家事も覚える、予測不可能な成長をする子供相手に全て先回りしてフォローする。抵抗力の低い子供を媒介に様々なウィルスに襲われるんだけど、気合と根性でしのぐ内に、尋常でない抵抗力を持っていたりする。
それら全てが「母親だから」という気持ちひとつだったりするので、ホントすごい。


でも、サンタが父親であることに気付くように、子供もいずれ母親が超人ではなく、ただの人間であることに気付く。いつものようにヒーロー役を演じる母親の体が、トラブルの度につぎはぎのパッチワークで間に合わせた不恰好なものであることに子供は気付く。


信じていたヒーローが、実はただの不恰好な人間である、と知った時に少年は失望する。
「ち、なんだよ、だましやがって!」
この時の心理状態が反抗期じゃないか、と思う。


でも、年を追うごとに冷静になってきて「でも、ただの人間なのに、すごいよな」と思い始める。これが反抗期の終了。


だから、母親の献身的な行動に対して、強烈な印象を残している場合、その少年には反抗期が訪れない。
例えば「熱の出た子供を背負って夜中にたくさんの病院を尋ねた」とかね。
何かの拍子にその時の母親の姿がフラッシュバックするのだ。反抗など出来るわけもない。


ヒーローとは誰かに言われてなるものではなく、決意を込めて自分自身をそう呼ぶ人なのだということを、男の多くは知っている。


『「お母さんがいるから大丈夫だよ」』


今日も世界中でヒーローが活躍している。