そらを自由に飛びたいな

おっさんのぼやきです。

どこか遠くへ行きたい物語

「どこかへ行きたい」という気持ちは、閉塞感と倦怠感の合わせ技から起きやすく、思春期に多い。

そんな思春期ど真ん中の物語を最近見ている。

yorimoi.com

絵柄がトゥルットゥルッで、人気女性声優が主役×4、という自分のアンテナからは大きく外れていたのですが、某所でオススメされていたので、Amazonビデオで最新話まで視聴しました。

 

主人公は、どこか遠くに行きたい高校生、けれど日常から離れるのは怖い。学校をさぼることすら怖い。枠から外れることが何より怖い。なぜだか怖い。

そんな主人公の前に「誰になんと言われようと南極へ行く」と颯爽ヒロインが現れる所から物語が転がります。

 

颯爽ヒロインが颯爽としてるだけで実はポンコツとか、ベンチャー企業みてえだなあ、と思いつつ、でも、一歩一歩進んでいく姿に毎回ハラハラしています。

 

■極地といえば。 

アニメでも、砕氷艦しらせが登場してるんですけど、その名前の由来となった白瀬矗がすごいです。

どうすごいか。

白瀬矗 - Wikipedia

 

この時佐々木は、白瀬に対し5つの戒めを教えた。

  1. を飲まない
  2. 煙草を吸わない
  3. を飲まない
  4. を飲まない
  5. 寒中でも火にあたらない

白瀬は18歳頃から守るようになり、生涯この戒めを守り続けたとされる

 

wikiに載ってるこれだけでも、かなり頭ちょっとすごい。(語彙)

 

私が以前、読んだ本には「妻が温かい食事を用意すると『極地にこんなものはない』といって冷めるまで待った」というような逸話が書いてあったのを記憶してます。

極地でメシを食うとなれば、当然、冷めて硬い保存食になるんですけど、それを食う時に、温かい飯に焦がれてはならない、焦がれないようにするには最初から知らないことだ、という理屈で日本にいる時から徹底して冷たいメシを食い続けたそうです。

 

ここまでの情熱をもってしても、結局、政府から予算はおりず、30歳手前にして、密航してアラスカに行って極寒に耐える訓練をしたりするんですけど、なにせ、軍人なので戦争とかに駆り出されたりして、どんどん時間だけが過ぎていく。

そして、40歳になった時に、白瀬が一歩も足を踏み入れないまま、他国が北極点に到達するんですけど、ここで「じゃあ南極で」とあっさり目標変更して、習慣は続けたそうです。

 

かなり強烈なキャラクターだったようで、その後に組んだ探検隊も仲が悪すぎて内部分裂したり、オーストラリアで原住民とケンカしたりと大波乱な冒険をするのですが、アニメで語られた通り、日本の探検隊が南極に辿りついたのは、第二次大戦後。

江戸時代生まれの白瀬矗は、ついにたどり着きませんでした。

 

誰かが何かを成し遂げた時、そこに至るまでに、成し遂げられなかった過去の偉人がいます。

個人的にはそっちの話の方が好みです。