小説 ヨコハマ買い出し紀行─見て、歩き、よろこぶ者─ (KCノベルス)
- 作者: 香月照葉,芦奈野ひとし
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/10/21
- メディア: コミック
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- 作者: 芦奈野ひとし
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1995/08
- メディア: コミック
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小説版の『ヨコハマ買出し紀行』を読んでみた。
ホラー小説の人がノベライズをしたらしく、なんか怖い設定になってた。
読み終わってから「そんな設定だったっけ?」と思って原作漫画を引っ張り出して軽く読んでみたけど、やっぱり違う。矛盾が多すぎる。
小説書いた人が「公式設定じゃないです」とあとがきで書いてたんだけど、なんか悪意を感じる嘘設定だなあ。
まず、人類が滅んだ後に残されたロボットの話、ってなってるんだけども。
漫画版の冒頭に「後に夕凪の時代と言われた頃の」ってあるじゃないか。
「後に」なんだから、世界は滅んでないし、滅びないよ。
あと「子供が産めなくなったから滅ぶしかなかった」って設定になってるけど、漫画版だと普通に10歳の子供が出てくるし、その子供が大人になってから子供産んだりしてるから。
更に。
自分の近しい人物が死んだ後は一人きりになってしまって、誰とも会わなくなったから仮死睡眠した、って小説にあるんだけど、漫画の方だと「繁盛してるよ。2日に1回客がくる」って尋ねてきた友人に言ってんだよね。
読めよ、原作を。漫画を。100回読み直せ。
なんかなー。
映画化とかされる度に原作ファンが言う事と一緒で、恐縮なんだけど、他に言葉が見つからない。
原作に対する思い入れがねえよ、コレ。
原作者の芦奈野ひとしさんって、割とあちこちの本に「単行本化おめでとうございます」みたいなコメントと絵を寄せる人だと思ってるんだけどね。
この本には、数ページの小説とは関係のない漫画のみ寄せてて、コメントは無し。
やっぱ原作者からしてみても、イヤだったのかな、ってなんか邪推してしまった。
この作品って世界崩壊後の混乱を描いたものではなくて、それでも人間なんだし、原始の時代では、割と皆仲良かったみたいだから、未来だってきっとそうなれるよ、っていう明るい話だと思うんですけどね。
こんな暗い話なら、わざわざ、このタイトルを借りる必要なかったんじゃないかな、って思う。