そらを自由に飛びたいな

おっさんのぼやきです。

中小企業診断士と中小企業のズレ。


半年ほど勉強して、試験内容としては「いざ2次試験!」ってトコだったんですが、自分のやりたいこととのズレを感じたので、やめることにしました。


まず、自分のやりたいことというのは、そのものズバリで中小企業のコンサルです。しかもどっちかというと零細に近いレベルの。
「二代目社長が創業者との確執に悩みながら、十数人のスタッフを引っ張っていってます」みたいな現場を長いこと見てきたので、その経験を活かしてどうにかできんかなー、と思って勉強を始めました。


ところが、中小企業診断士の勉強を続けるにしたがって、いろいろと見えてきました。


まず、中小企業支援法を扱う現場の熱の無さ。
例えば雇用助成金などはハロワの管轄なんですけど、ご存知のとおり、ハロワの従業員モラールの低さは折り紙付きです。
その背景も理由もわかるんですけど、結果として機能していない。
支援策のパンフレットを見れば、ものすごいたくさんの中小企業支援法が書かれています。しかし、その大半は機能していません。
放置された車と一緒。数値性能はすばらしくてもエンジンがかかりません。


次に試験内容の半端さ。
中小企業とひとくちに言っても、様々な職種があります。
それらに対応するため「どこでも通じる一般論」で試験内容が構成されています。
でも、それじゃ意味ないですよね。
どこでも通じる一般論なんて本読めば書いてありますから、どの企業も雇ってくれませんし、雇われてもそのレベルじゃ満足な結果は出せないです。
中小企業診断士と名乗ってる人間が結果を出していない。
そんな看板じゃ取っても意味ないです。
むしろ中小企業相手じゃ「エリートぶってる」と煙たがられるのがオチじゃないですかね。


最後に協会。
中小企業診断士試験に合格したとしてもそれで終わりじゃないです。
5年に一度、更新がありますし、その更新には中小企業のコンサルをしたという実績が必要になります。
しかし、前述のとおり、看板取っただけの人間を雇う中小企業なんて無いですから、協会に登録して仕事を紹介してもらわなきゃいけません。
この協会に登録するのにお金がかかります。更に年会費もかかります。仕事を紹介してもらえば、一日いくらでまたお金がかかります。


んで、お金を払って仕事を紹介してもらったとして、中小企業と中小企業診断士が双方「契約してよかった」と思えるような仕事になるんでしょうか。
多分、ならないですよね。
だって、その診断士は協会にお金払って仕事を回してもらった素人ですもん。
一応、形式どおりの経営分析はできるでしょう。それらしいレポートも出せるでしょう。
(自分も一応できますよ)
で? それ、儲かるの? 儲からせることができるの?
無理ですよね。


そんなわけで、自分は中小企業診断士にはならないことにしました。


コンサルの大手企業や銀行に勤める人は、MBAなどと一緒に取れば良いと思いますが、少なくとも、この資格が中小企業にとって救いになるとは、到底思えません。


とはいえ。


勉強内容は多岐にわたっており「広く浅く」経営に関する知識が得られます。
器用貧乏をウリにしてる方は、やってみるといい刺激になると思います。
(自分もこの点は感謝してます)


自分は更なる器用貧乏になるべく、とりあえず、今の知識+アルファで取れる実務に役立ちそうな資格をちょいちょい取っていこうかな、と思ってます。