そらを自由に飛びたいな

おっさんのぼやきです。

『事務員』観。

 
事務員さんにさせる作業メモの中に「ExcelでVlookupを用いてデータのマッチングを行う」というのがあり、マテマテマテマテ、となった。
 
いや、事務員さんってVlookup関数使えるの?
というか、Excelにアレルギー持ってないの?
女性でしょ? 事務員でしょ? 電話番でしょ?
 
「それぐらい覚えられるはず」とつっぱねられ、
東京はそういうものか、と引き下がったけど、
帰りに、やっぱ変だよな、と思い直した。
 
だいたい、そんなことを言ってるから新しい人がいつまで経っても入らんのではなかろうか。
 
そも、作業というのは単純化すればするほど人件費は下がる。
誰でも出来るようになるからだ。
反対に特定の人にしか出来ない仕事なら単価は跳ね上がるし、該当者はピラミッド式に少なくなる。
 
少なくなるから募集しても来ない。
当たり前の話である。
 
「でも、うちの仕事はマニュアル化しにくいし」
 
いやいや、違う違う。
マニュアル化できない仕事をマニュアルにするのが給料取りの仕事なんだよ。
 
マニュアル通りに作業員に作業させてみて、うまくいかない所があったら、そこを修正して、また作業させる。
その繰り返しが、金が生むサイクルになるのであって、しちめんどくさい上にミスしやすい作業をマニュアルに組み込む時点で、失敗確定なんだよ。
 
あと、当たり前だけど、作業手順は簡単であればあるほど良い。
「ABCの順にボタンを押せ」ならメモれば出来るし、その内覚える。
でも「Aを押し込んで、Bを引っ張って、Cを殴れ」となると途端に難しくなる。
 
押すのはどのぐらい押す? 引っ張るのはどのぐらい?
殴るというのは具体的にはどうするの?
「いや、そこはこう上手いこと、いい感じで」とか言われると、作業する側は分からないから嫌気が差す。
実際にやってみて「ああ、違う違う。もっと強く」とかケチつけられたら、余計に嫌気が差す。
「向いてない。やーめた」と言ってそそくさと辞める若い人の大半はコレじゃなかろうか。
 
だから、そういう時は調整してABC共に押すだけの動作で動くようにしてやる必要がある。
これぐらいなら、言葉すら通じなくても教えることが出来る。
 
システム化された工場に外国人労働者が多いのはそういう理由である。
 
とはいえ、そこまで大規模なシステム化して利益を得ようとすると、かなり薄利多売になるし、規模もでかくなるし、管理者の目も届きにくくなり、新たな組織を作る必要が出てくる。
まあ、めんどくさい感じになってくるわけだ。
 
だから、ある程度までマニュアル化して、残りは臨機応変にうまいことちょいのちょいの、と手を出すのが現実的な落とし所となる。
 
■というか、人事に関する基本的な考え方として。
 
自分も長らく「どうして誰もこないんだ!」と思いつつ、下唇を噛み締めて過ごしたクチなので、基本的に誰であろうと、やる気があるなら、仕事は渡す。
(以前の会社では狭い町に古い悪評が知れ渡りすぎてて誰も近寄ってこなかった)
 
「PCに興味はあるが触ったことはない」と言われれば電源のつけ方から教えて「じゃあ、今度は電源を落としてみよう」と教え。
その上で「今日はPC作業は終わりだ。残りの時間はここにあるパンフレットを折ってくれ。それをしてくれるとすごく助かる」と頼む。
その作業が終われば「ありがとう。とても助かった。時給は発生しないが、良ければインターネットを教えようか」と教えてみたりもした。
 
別に自分は人間が出来てるとか言いたいわけではない。
本当に人手が足りなくてどうしようもなくなると、誰が来ても「ありがとう、助かる!」と思えるようになるのだ。
俺がそう思ったんだから、多分誰でもそう思うようになる。
 
まあ、それが今の仕事につながってるわけだから、若いうちの苦労はしとくもん。。。いや、別にしなくていいか。
 
苦労しなくて人生つつがなく終われるなら、それに越したことはねえよ。