そらを自由に飛びたいな

おっさんのぼやきです。

One to Oneの接客技術の伝達。


来店した客に店員が話しかけて、商品を欲しくさせる、ってのはどの小売業でも欲しがる技術なんですが、これがまあ教育においては非常に難しい。


平たく言えば美人を見れば男は油断するし、美男を見れば女も油断する。
同性においても、やはり感じのいいタイプと感じの悪いタイプってのがいるわけで、その感じ方は人それぞれ。


だから「手当たりしだい声をかけて、勘をつかめ」なんて話がまかり通ったりする。
んで、それについていけない人は辞めていく、というか9割がた辞めていきます。
ほとんど残らん。


それをどうにかする為には、もうちょっと間口を広く、誰でも出来るようにマニュアル化するのがいいんだけど、それが上手くいかない。


以前、新規開拓の営業をした事があるんだけど、その時もやっぱり研修があって商品知識だとか、不信感を抱かれない話しかけ方、みたいな事を教わった。
でも、実際に自分がやってみると不信感バリバリで、全くうまくいかなかった。


そのやり方ってのは「ケーブルテレビの地域工事をしばらくさせていただきますが、よろしければついでに屋内に配線を引き込みましょうか」ってな方法。
このやり方で成果をあげてたのは、見るからにチャラそうな営業マンのみ。


自分はオタクの容姿なので、神経質に見られるんですよね。
そんな細かそうな人が「ついでに」なんて言ったって、物凄くウソくさいわけです。
「よく売る人」の真似をしても、それはその「よく売る人」の外見、喋り方、間の作り方、その他を含めたその人ならではのやり方なので、真似をしても、猿真似にしかならない。


だから、データを集めても「誰が優秀か」という事は分かっても「どうすれば優秀になれるか」って分析にはあまりつながらない。
試行錯誤で試していくしかないし、そうしている間にも客層の風潮は変化していくから、後追いになってしまう。


それでも追いかけなきゃいかん、というのが持論なんだけど、かかる手間が増えるので、あんまり経営者さん達には受け入れられにくく「やる気でどうにかしろ!」という内容の訓示を延々30分にかけて朝礼で話されたりする。


同じく伝えにくい技術として、農業があるけど、あっちは少しずつ集団でよってたかってデータ採取してマニュアル化して、更にそのマニュアルをベテランの農家に見てもらって間違いや勘違いを指摘してもらう、という管理農業というスタイルが始まってるらしい。
金のあるトコはいいなあ。


接客技術も、これからは管理化していかなきゃいかん、と常々思うんですけど、この考え自体がなかなか伝わらない。
めんどくさいですからねえ。


ちなみに。
こういう話をすると「ディズニーの人達は教育されてる」とか「ホテルマンは理念を社員に理解させてる」的な話をする人がいますが。
目の前に人に出来る限りのサービスをする事と、目の前の人にサービスを買ってもらう、という事は根本的に違います。


目の前の相手に話しかけて、悩みを引き出して、それを解決する手段を提供してお金をもらうわけですから。
根っことしては、友人の個人的な頼みを有料(現金)で引き受けるぐらい、めんどくさい話なんですよね。